現地時間 三月三日

最高のグランド・キャニオンから帰った昨夜は疲れ果ていつも通り深々と眠り込んでしまったから、今日がようやくヴェガス観光の本番である。

まずはストリップ通りを北上する。予想していたことではあるけれど、広くて長い。しかも歩きづらい。歩道は交差点にて断ち切られ、横断には歩道橋に上らなければならない。歩道橋も少し遠い。通行人も多い。すぐ近くに見えるエクスカリバーのメイン・エントランスはどこにあるかとフラつく。

それでもやはり朝からでも壮観だ。各々テーマを持ったホテル群は日本じゃあなかなか見れない。なかなかどころか、見れないかもしれない。

ホームレスや流しのアーティストなんかはいるけれどロスのそれらのようにギスギスしてはいない。二人組のセクシーお姉さん(カーニバル衣装、婦警など)と写真を撮ったパパも気前よく払っていた。

ベラージオのバフェ、クオリティが高い。ヴェガスに着いた日に食べたルクソールのそれよりも肉が美味い。野菜はどちらも美味い。ステーキを三回も食べてしまった。

再び散策、乾燥しているし暑いものだからビールが旨く、マクドナルドにて夕飯を済ませ(2 Cheese Bugersなるコンボを注文したらチーズ・バーガーを二つ食べることになってしまった。そうだよね)再びベラージオに向かう。シルク・ド・ソレイユによるショー、オーを観るためだ。

観客らはみなシックに着飾っているのかしらと思いきや、ほぼみなカジュアルである。安心する。コーヒー飲んだりポップコーン齧ったりしてさえいる。

良い席を取ったから眺めが素晴らしい。視力さがりつづけているにもかかわらず、演者の息遣いと筋肉の動きまで見える。みんな隆々だね。

ショー自体、開幕から閉幕まで神秘的なのかなあ、と予想していたら実際は大分ちがっている。水兵らしき二人組を中心に、コミカルに笑わせてくれるのだ。セリフや挿入歌を含めオーラル言語がほぼまったく使用されていないからその理解を必要としないけれど、ごく簡単なストーリーもある。水の世界に紛れ込んだ一般青年が軽く恋したり水の民に振り回されたり…というものだ。
涼しいし、素敵なショーだ。するする引き込まれる。危険なブランコ、噴水、ライト、歌なんかに合わせ身体が動きまくる。元気になる。

グランド・キャニオンとオー、ブラボーってやつだと思う。
素晴らしい食事に対しては「御馳走様」という日本語があるけれど、素晴らしい観賞に対しては「???」という日本語あるいは表現て存在するっけ?いま、それを言いたい。