現地時間 三月五日

本日からサン・フランシスコ観光である。

昨夕(三月四日)に着いた。LASからLAXへ、乗り継ぎLAXからSFO、という具合だ。
LASの保安検査は厳重だ。手をあげボディを触られる。靴を脱ぐ。
リュックが引っかかってしまった。ラップトップが入っていたのに出すのを忘れていたのだ。ぼけっとしていた。
通った先のゲートにはミクロのカジノがある。何人か打っている。いかにも暇つぶしといったところだ。当たったら死に物狂いに急ぎ換金するのかな。

数日ぶりのLAXに思うところはとりわけなかったけれど、機内(以上二本の米国内線は低空飛行なのか、ほぼ常に夜景を見ることができた)からステイプルズ・センターはどこかなあ、とか探したり、コービーいま何してんだろなあ、とか考えたりした。もちろん見つからないし、分からないのだけれど。

SFOはキレイだ。綺麗よりはキレイが正確かな。言い換えるならば清潔感がある。
いくら写真が不味そうだとしても、Tempura Udonの文字に心が躍る。ただし荷物受取が先決のため我慢である。

宿Cow Hollow Motor InnへはUberを使う。だいぶ慣れてきている。アメリカ来てから六回目くらいかな。
Gouwとかいうアジア系運転手がゴールドのBMWに乗ってやってきた。天窓が付いている。初めて相乗りのPOOLを使う。初めてUberの運転手と喋る。テンポから察するにほんの少しだけ英語が苦手か、いや英語が苦手なのは自分だ。それでも喋ると楽しいもので、雨は数日つづきそうだねな〜、妻は日本を訪れたことがあるよ〜、なんて世間話をする。本当に快適だった。

部屋は写真より綺麗だ。周辺の治安もまったく問題なさそうである。フロント係ははじめ柔和な男性かと思ったら柔和な女性だった。

方々にて言われたり書かれたりしていることではあるけれど、この街はSFOはじめ清潔であり、この街には極めて急な長い坂が多い。Uber乗車時もそんなかんじを感じていた。なんで歩いてみたくなり、もっとも空腹が酷くなりあたりをフラつく。移動中にGouwが教えてくれた通りUnion St.やFillmore St.はビジーだ。金曜日ということもありだいたいのバーが繁盛し、バーの前は男女が煙草を吸う場所になる。自分もカルボナーラの美味しそうなバーに入る。
とても混んでいる。白人たちが酒を飲み喋りまくっている。それがロックと溶け合う。バド・ライトが薄いためさわやかに美味い。カルボナーラはチーズとベーコンが美味い。サラダは完全なる健康食品だ。リーフ、キヌア、それから不明の野菜二種がごろっごろとボウルを埋める。
Obeyの人(シェパード・フェアリーだっけ?)が描いたポスターが数枚ありとても良い。
宿に戻り爆睡する。

以下からがようやく今日すなわち三月五日のお話である。

生憎の雨だけれど予定通りユニオン・スクエアを目指す。
途中、うねりにうねる煉瓦の下り坂を歩く。ロンバート・ストリートというそうだ。観光地らしく若者らが写真を撮る。
チャイナ・タウンに突入する。ドン・キホーテ顔負けに商品の詰め込まれた商店にて傘を買う。中国語なんて謝謝とウォーアイニーしか分からないのにおばあさんが中国語でまくし立てる。
とりわけ超市=スーパー・マーケットにエネルギーが横溢する。中華街と言うよりはむしろアメリカ風の中国に紛れ込んでしまったようだ。
Googleの助けを借りミシュランに載っているとというレストランへ入り担々麺と酢豚を注文する。四川料理屋ということもあり担々麺は舌のみならず脳味噌の角まで痺れる味だ。箸が止まらないが夜まで頭と腹が重くなる。

三十分ほど歩きユニオン・スクエアに着く。かーなりこぢんまりとしているため周囲のデパートが目立つ。Macy'sのスタバには村上春樹の『多崎つくる』を読むインド系がいる。

少し裏に入ったBlue Bottle Coffee(シンプル、安め、混雑、コーヒー旨い)にて落ち着いたのち、夜までプラプラ歩きショッピングをする。

夕飯、と言っても九時半頃だったけれど、再びGoogleパワーによりRamen Undergroundというラーメン屋へ向かう。地上一階にある。店内にはラーメンの食べ方を示すポップな四コマがある。
醤油ラーメンの大盛を注文する。言うまでもなくウマい!元気になる。大盛が存在することに感心する(oo-moriと記されていた)。蒸し鶏、リーフ、マッシュルーム、そして万ネギという興味深い具の組み合わせだけれどウマいものはウマい!連れの注文した味噌ラーメンもウマい!白味噌ぽいけれどまろやかにウマい!御馳走様でした!

宿へは再びUberを使う。一人目にキャンセルされ二人目の、たしかJoshuaがフィアットに乗ってやって来る。天井はクラブのような七色変化の照明、音楽はKaskadeである。あとから分かったことには、かつてエンジニアをしていたことがあり、照明、音響、それからプロジェクションの設備をいじったようだ。ひゅ〜、というかんじだ。
POOLのため道中に初老夫婦を拾う。行き先はなんと同じ宿だと言う。ただでさえ宿の多いLonbert St.なのだから、そもそもただでさえ広いアメリカなのだから地球奇跡だ。Uberはとにかく便利かつ快適だし、楽しいことが起こるから好きになる。

宿の向かいにあるチェーンのダイナーが出すアイスクリームはGREAT!という耳寄り情報を聞いたところで到着する。Have a good night!