本日はサンタ・カタリナ島を訪問した。

朝、霧が深い。気がついたころには綺麗に晴れた。

サンタ・カタリナ島へはロス近郊の数箇所からフェリーが出ている。ヘリのひとっ飛びもあるけれど、フェリーの方が安価だ。
宿のあるカルバー・シティから船着場のロング・ビーチまで、自動車なら三十分、公共交通機関なら乗り継ぎに乗り継いで二時間かかる。後輩YくんにUberなるタクシー配車アプリの存在を教えてもらっていたからUberだ。二時間ものあいだ緊張感を維持するのは骨である。
ところが、いざUberを起動すると、携帯電話番号の認証を迫られる。どうやらSMSで認証番号を送ってくるようなのだけれど、受信できない。キャリアとの接続を絶っているからだと思われる。少し焦る。
仕方なく機内モードを解除すると、瞬時に受信した。予定出発時刻を三十分オーバーしていた。直ちに認証を完了し、配車する。表示されたドライバーの顔は笑顔の黒人だ。運転手レートは4.9、価格レートは高需要時につき1.9倍だという。
ほどなくタクシーがやってくる。こじんまりとした四駆のような車、黒だ。Uのプレートを助手席前に置いている。特有の独特に良い匂いがする。BGMはハナからケツまでMobb Deepだった。

よどみのまったくない運転が三十分続き、無事船着場へと到着した。礼を言うと礼を言われた。船着場には白人が多かった。みな御満悦のよう。たしかに空は青く澄み渡っている。
予約表を提示して乗船券を受け取り、乗船する。三階建のCATALINA EXPRESS船内は見かけよりも広い。はじめは三階席に座って風と景色を楽しむも、陽があっつい! 一階席に移る。
授業中の居眠りのような恰好で机に突っ伏していたら、黒人乗組員が寄ってくる。Are you okay, man? Take some fresh air outside, don't splash here.などなど言ってくるものだから、慌て、眠いだけだから大丈夫だよありがとう、と応える。それなら良かった、との面持ちを見せてどこかへ行った。

実際に居眠りしたら着いた。約一時間だったろうか。サンタ・カタリナ島は見るからにミニ・リゾートである。空は青く、海も青く透明だ。船着場からは山間に建った家屋が見える。密集しており、それぞれ黄、薄桃、白、ベージュ、薄緑など可愛くカラフルだ。
Brown'sとかいう店にて自転車をレンタルする。ビーチ・クルーザーなるタイプであり、サドルは大きく、タイヤは小さく太い。するする走るととても気持ちが良い。ロブスターなど海産物の香、風、観光客の笑い声が溶ける。島内唯一の都市Avaronの家々も山間の家々よろしくキュートだ。

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昼食をということで、The Robster Trapとかいうレストランに入店する。かなり賑わっている。日本出国後初のドラフトはバド・ライトで。渇きによりごくごく飲む。
食事には、シーフード・スパゲティ、アスパラガスとズッキーニのソテーを注文した。もう一品注文すべきかと迷っていたけれど、食後には連れと腹ぱんぱんだよ…と同意。
久々の野菜、細長いアスパラガスには、しっかりとした味があり、とても美味しい。思わず美味しいと言ってしまう。スパゲティ、きしめん状の麺は少し茹で過ぎだった。それでも、大ぶりにカットされたシーフードが気にいる。一度かるくフライされており、サーモン、白身魚、海老、帆立、貝はいずれにもやはりしっかりとした味がある。思わず素材が良いのかなと言ってしまう。

食べ過ぎて少し苦しいけれど、こぐ。アヴァロン東のビーチを目指す。途中、島のランドマークであるカジノ屋敷を過ぎる。壁画が存外にも美しい。
ビーチはもちろん賑わう。老若男女だれも焦らない。我々も砂浜に寝転ぶ。みんなビーチ好きなんだな、自分も好きなんだなといつものことを思う。
ただし、このサンタ・カタリナ島に共通して言えることなのだけれど、日陰と日向の寒暖差が激しい。日陰では風が冷たく、日向では陽が灼けつく。だから下半身は日向に出し、上半身は日陰に収めた。それでもくしゃみが出てしまった。

アヴァロン中心から北上するとある植物園を目指す。坂はゆるやかなものの長く続く。遠すぎるため断念する。植物園入口付近の民家、庭のラジオからはどこか郷愁を誘うカントリーが聴こえてくる。誰かいるようだけれど姿はよく見えない。カルト気味を感じた。静かな映画のようだもの。乾ききった山肌にメキシコらしさ、そしてどこからかのヴォーカルと遅いギター。たしかに音がしない。

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十七時、自転車を返却し土産物屋を見物する。薄暗い島も綺麗だ。地元住民らしき人々も現れ出す。
十八時、イタリア料理店のスライス・ピッツァを購入し船着場付近のベンチにて食べる。塩っ辛いものの基本的にうまい。サラミが良い。
十九時半、フェリーが動き出す。すぐに爆睡してしまったけれど、我々の周囲を数十人単位で陣取っていたスペイン〜イタリア系の老若男女グループがともかくともかくうるさい。そこまで声張り上げて喋り散らすネタってそうあるものか?と多少は感心してしまった。
二十一時、気づけば船着場へ到着。Uberにて配車。すぐ到着。
二十一時半、宿に辿り着く。タクシー素敵ね。

GSW-OKCを思い出しESPNを付けるとハイライトが。
OTあと数分、GSWが五点ビハインド。そこからはするするするする得点。あと数秒のカリー、同点から決勝3pt沈める。OKCファンもあまり驚かない。自分も驚かない。
サッポロ・ビールと旨いポテチもどきが美味い。おしまい。