十八日
引越準備をする。段ボールは大きいものばかり入手したためにひとつひとつが重すぎる。特にレコードや文庫本をつめこんだものが重い。ひとつは崩壊寸前になってしまった。

十九日
朝、父親に迎えに来てもらい車につめこむ。雨だし重い。
実家に着き一服するとスーツを買うべく百貨店に出る。靴はゴアテックス地の黒プレーンを一足購入する。スーツは黒無地細身のものを一着購入する。
夜は車屋にて会席料理を食べる。綺麗だし美味しかったよ。庭園には鯉が飛び跳ねる。奥に見える洋食サイドにはステーキ職人がお客の目の前で焼いている。

二十日
七時に出発しスーツを買うべく御殿場プレミアム・アウトレットに向かう。空いている。飛ばす。ジャンクション寸前から追い越したら盛大に鳴らされてしまう。死ぬかと思う。
いそいそ選ぶ。ブルックス・ブラザーズにてスーツを二着購入する。紺無地のものと紺ストライプのものだ。ストライプのほうは手製の部分があるため直しに時間がかかる。だから大阪に郵送してもらう。黒無地のもの含め、どれも本当に格好良いと思い購入した。嬉しい。大切にしよう。ありがとう。
午後は祖父母と叔父叔母の家を訪ね挨拶する。変わらずみんな元気だ。従兄弟長男は大学へ進学し、三男は高校へ進学する。自分も一緒に頑張ろう。
夜、所謂テラモにてネクタイを三本購入する。レジメン二本が紺と燕脂であり、小紋一本が空色である。揃い始め着始めるとやはりいよいよかという気分が高まる。

二十一日
スクランブル交差点はいつもの渋滞だ。それでも桜丘町まで出てしまえば人はぽつりぽつりと歩く。連れも自分も気に入っている立ち飲みダイニングのあるエリアだ。鯛、牛フィレ肉とフォアグラ、海老とキノコのスパゲティ、どれもやっぱり美味しいんだ。ほどよく混み合いほどよく騒がしい店内に、几帳面な味が良く合っている。普段ウィスキーはあまり好んで飲まないのだけれど、ここのハイボールはどの皿とも相性が良い。確実に味付けされた料理ばかりだからなのかな。思い出せば腹が空いてくる。

二十二日
四月から勤める会社の本社がある梅田へ向かう。内定者ヒアリングなる貴重なイベントに参加する。
社会的に(も)幼い自分が初めて自ら券を購入した新幹線だ。ちょうどいま乗っているのだけれど快適だね。池尻大橋から品川までの殺人列車は狂っていた。
連れは、気分が悪くなる、景色が目まぐるしく変わっていくから、と言っていた。新大阪に着くころにゲーゲーしていないよう気をつけよう。晴れて幸せだ。