三月十七日

八時 起きる うどん
十時 学校 卒業論文最終版を作成し提出する
夜 学校の友達と飲みに行く 大阪に行く前だと最後になるのかな、仲いい奴とのフェアウェル的な飲み会が続くと、いよいよか、という気が高まってくる

昨晩の飲み会に行く前にシングルCDを二枚購入した。ダウンタウン槇原敬之によるチキンライスとAKB48によるハロウィン・ナイトだ。

前者、子供のころ貧乏だったわけではないけれど、親に気をつかうという点は共感できる。好みのクリスマス・ソングだし、松本による拙い詞を浜田が拙く歌い上げることによってシンプルな素朴さのようなものが感じられる。とんねるずたちがやっていた野猿にしろウッチャンナンチャンたちがやっていた葉っぱ隊にしろ、非本業の人々による楽曲ってなんだか良いときが多いのよね。

後者、ジャケットの煽りに「クラブじゃないんだ、ディスコだよ!」とありジャケ買いしてしまった。ウィンクをするアフロのケバい女が表紙を飾り、裏面にはちょいダークなハロウィンのコスプレをした選抜メンバーらしき女たちがこちらを見ている。
48グループについては詳しくないどころか人並みにも知らないため表紙の女性が誰であるかわからない。メンバーなのか?調べると、自分が購入した劇場版の表紙の女性は指原莉乃だという。指原莉乃か、AKB48の中では好きだ。それでも、嘘だろ?と思う変貌ぶりである。
さて肝心の楽曲の方だけれど、これは無害な楽曲だ。
イントロから確かに四つ打ちだし、遠くに聴こえるリフもディスコを意識したのだろうなというもの、薄っすらとだけれどね。
問題はヴォーカルだ。誰か知らない人が歌い出した瞬間、ああAKBサウンドだ、と落ち込んでしまう。ファンは誰がどの歌詞を歌っているか直ぐに分かるのだろうけれど、自分が聴くと、カラオケの上手い女子高生十五人が文化祭のパフォーマンスをしているようにしか聴こえない。一応、と言うとそれだけで失礼だけれど、アイドルにとっての歌唱は一応はその本業なのだろうから、先のダウンタウンとのあいだには、下手なプロと思わせるアマと、上手いアマと思わせるプロという対照がある(後者について良く言えば、途端にAKBサウンドだと分からせる点はさすがミリオン連発のモンスター・グループといったところだろうか。商売に関しては究極のプロ集団だろうしね)。
一応おわりまで聴いてみるも、特に感想は残らない。思い出してみようとしても、メロディは既に忘れている。調子が明るいから聴いていてイヤな気持にはならないのだけれど、明るさが突き抜けているわけでも、ヴォーカルに力があるわけでも、魂が横溢しているわけでもないから響かないのだ。せめてもの最大のディスコらしさはHalloween Nightないしはハロウィン・ナイトというタイトル曲のフォントに見出される。Donna SummerかAshford & Simpsonあたりが使用していそうな走り書き調の細いフォントである。
ディスコとハロウィンのそれぞれに全力を傾けていなくて、またそれらの混合も達成されていないから中途半端であることが際立つ。中途半端つまり未完だから誰も目くじらを立てようがない、誰も怒らない。この意味において無害だ。

おしまい。