「箪笥の角に小指」的モーメント

渋谷を歩いていたら数分のうちに二度もバンプされてしまった。肩ぶつけられるやつね。

譲ると、たしかに、言い方によっては、自分勝手に歩くタイプではある。四六時中イヤフォンから聴いているし、いわゆる歩きスマホもよくする。自動車やオートバイなんかが近づいたとしてもへこへこ避けてあげたりなんてしない。ビルを見上げ窓を眺めながら歩くのがわりと好きだ。
けれども、人の足を踏んづけたり、人の胸を頭突きしたりなんてチンピラなことはしない。今日だって、ただでさえ人ゴミとゴミに埋め尽くされた渋谷の街なのだから、と思い珍しくも気を配りながら歩いていた。

一度目、自転車の鍵を外していたら気配を感じた。いそいそしたおっさんの足早の気配だ。案の定ぶつけられ、いそいそ立ち去られた。加速して駅方面に向かうくせに、律儀にも振り返ってくる。

二度目、道玄坂に向かう上りの小径を歩いていた。欧米系旅行客グループ、サラリーマンの集い、客引きのお兄ちゃんなど。いつにも増して歩行者がうろうろだ。三十路男二人組が対面から下ってくる。立ち止まらなければすれ違えぬと判断し、押す自転車を身に寄せ立ち止まり、スペースを作る。自分に近い側の男が肩を預けてくる。舌打ちすると振り向いたのは自分に遠い側の男だった。

スーパー・ボウルはシブい展開のうちに終わったし、ラグビーが何たらゴローマルが何たらと云ってたのは昔話じゃあなかったっけ?
タックルおじさんや「箪笥の角に足の小指」に限らず、ちょいウザ・ちょいムカの一瞬がちらほら在るんだよ。


・シャワー
冬の朝に頻発傾向。シャワーの水が待てども待てども温まらない。そろそろだろう、と足にかけるもまだ冷んやり。

・電子切符(?)
ピン ポーン! そして赤ランプ。
それにしても、スイカ、パスモなどをひっくるめて「定期」と呼ぶ習慣に対しては、最終学年の学生がこの時期に赴く旅行をひっくるめて「卒業旅行」と呼ぶ習慣に対するのと似た違和感を抱く。

・二日酔
今日日焼酎を美味しく飲む。
痛飲後の爆睡後の起床時および起床後数時間に及ぶ頭痛。後悔後悔後悔に伴い自分に対しムカ!
咽喉痛やノドの乾き、点けっぱなしの電灯、脱ぎ棄てられた靴下とセットで。

・残便
汚い話だけれど、便所(個室)、流し切らない殿方がけっこう多い。あとちょっとだよ!

・サドル
自転車のサドル、雨降りに弱い。座ると尻がおひたしになる。

・コード
鞄から出したら、の定番ネタ。

・紙幣
シミ、ヨゴレ、ヤブレ、どうして発生してしまうのだろうか。とりわけカキコミが解せない。
ATMが吐く紙幣らの向き・裏表のバラツキにも注意。

・逆走
右も左もわからないうちはチャリに乗ってはいけない。おおむね、逆走・歩道・チリンチリンの三点盛り。見る限りオバサンに多いかな。


無理に思い出したケースもあるけれど、個人的にはざっとこんなところだろうと思う。ストレスフルなんてもの、良いところはその語呂だけだ。
「銭湯あがりにコーヒー牛乳」的モーメント、つまりは、ささやかだけれどたしかにハッピーな瞬間を圧倒的に多く思いつくと良いのだけれど。ATM紙幣が美しく統率されている、とかね。おしまい。